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「再生」というキーワード

2011.11.11

音楽の場合は「re(リ)」ではないが、現在空前の人気を迎えている「カバー・ブーム」も似たような意味合いがある。オリジナルをアレンジしてまったく別のバージョンをつくり出す「リミックス(re‐m・lx)」をこれに加えれば、いまいかに「再生」を意味する「re(リ)」という言葉が流行しているかがわかるはずだ。このように、目下流行の言葉は、「メータ」や「フォーム」ではなく、あくまでも「リメイク」であり、「リフォーム」なのである。

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つまり新しく何かを「つくり上げる」のではなくて、「保存したり」、「修繕したり」、「建て直したり」、「生まれ変わらせたり」することが、時代全体の気分になっているのだ。もちろん、「再生」を示すこれらのキーワードは、震災やテロのような現実的な都市破壊にともなって登場したものではない。この本の中でも、取り上げたような「リフォーム」や「リミックス」や「リメイク」や「リサイクル」という言葉が、現代建築を解く鍵として登場しているが、こうした言葉は、阪神・淡路大震災の前からすでにいわれていたものだし、9・11の少し前には流行語にさえなっていたのである。そのような言葉は、ずいぶん前から、おそらくバブル崩壊以降だと思うが、あらゆる場所で使われていた。時代そのものが、九〇年代前半からすでに壊れ始めていることを、端的に示していたのだろう。けれども、「再生」という言葉に、私たちがほんとうの意味で強く引かれ始めたのは、やはり震災やテロの影響が大きいと私は考える。都市破壊が私たちの不安感を大きく揺さぶり、壊れていく世界を支えなくてはならないという気運を高めていき、それが「再生」というキーワードで、人々の中にいま、さまざまな形で浸透しているのではないか。