倒れた高速道路の橋脚はコンクリートが剥げ落ち、剥落したコンクリートの中からは、おそらく工事していた人間が飲んだと思われるジュースの空き缶が見つかった。橋脚のコンクリート中の鉄筋にも「手抜き工事」があった。主鉄筋に巻いた帯鉄筋の間隔がまばらで、30センチだったり20センチだったりしていた。現在の建築基準法では帯鉄筋の間隔は10センチと決められているのに、である。これでは橋の強度は保てない。1981年に建築基準法が改正になって帯鉄筋の間隔が10センチになったのだが、仮にそれ以前の工事であったにせよ、間隔がまばらで30センチもあったのでは話にならない。ちなみに建築基準法とは、建築物の敷地や構造等に関して設けた最低限の法基準のことで、住民の生命の安全や健康を考慮し、あわせて財産の保護を目的としている。主鉄筋は単に主筋ともいい、軸方向力や曲げモーメントを負担する鉄筋のことで、柱に入れる場合は材軸方向に入れる。帯鉄筋は帯筋ともフープ筋ともいい、鉄筋コンクリート柱の剪断補強に主鉄筋を水平方向に巻く鉄筋のことだ。さらに、コンクリートの厚さもいいかげんで、剥落したコンクリートの橋脚から鉄筋がのぞいていたものもあった。その部分だけコンクリートが薄いのだ。こんな状態では高速道路が倒れるのも不思議ではない。倒れて当然の代物だったのだ。
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